石炭火力についての持論

(この記事はYづドン/テクノロジー合同 Advent Calendar 20217日目の投稿です。)

昨今では、再エネなどが流行っていき、石炭火力は負の遺産だとされています。
確かに石炭火力はSOXやNOX、CO2などを他のガス火力などの発電方法より多く排出するので、環境に良くないのは確かです。
ただ、再エネにはない安定性が、火力、特に石炭火力にはあると思います。
石炭火力は燃料費が安く、燃料も比較的ガスより手に入りやすいです。
ガスを入手するには、危険なホルムズ海峡が生命線で、ほぼ全ての船がそこを通らなければいけません。
石炭はオーストラリアやインドネシア、ロシアなど比較的近情勢が安定している国より輸入できます。
2020年冬は急な寒波によるLNG不足が起きましたが、石炭の供給在庫は不足していませんでした。
風力発電では風がないと発電できませんし、太陽光発電では太陽光がないと発電できません。これらは自然の物で、我々にはどうすることも出来ません。
確かに晴れた日などは、給電指令所から電源Ⅲ抑制が来て、減負荷することはありますが、それでも火力発電があっての再エネだと思っています。
火力発電の何十倍くらいの土地を使い、ようやく火力発電と同じ100万kWを系統に流せます。
メガソーラーなど、巨大な土地を使っているイメージがありますが、語源の通り1MW、石炭火力の1000分の1の出力なのです。
陸続きで土地が有り余っていて、原子力発電に抵抗のない諸国では、環境に良い巨大な原子力発電を建ててしまえばいいのかもしれません。
我が国でも上記のように考え、原子力発電所の建設を進めていました。現在も3基が建設中で新基準への申請を行っています。
ですが我が国は、核が唯一落とされた国であり、災害による原子力発電所の水素爆発なども起きていて、環境には良くても、我が国では原子力発電は受け入れられていません。
そして、石炭火力は環境に悪いといっていますが、それは努力を怠ってるだけなのです。
電源開発の磯子火力発電所では、乾式脱硫脱硝などを使い、石炭火力なのにガス火力なみの環境基準値をクリアしています。
そして、アンモニア混焼やIGCCなどいくらでも可能性はあります。二酸化炭素の貯留なども研究されています。
ベースロード電源である石炭火力を減らせば、確かに環境には良いのかもしれません。ただ、石炭火力の廃止により、物価の上昇や計画停電などが起きる可能性もあります。
あれもダメ、これもダメで前に進むことは一生無いと思います。
環境が優先か今の生活水準をキープするのが優先か、どう考えるかはあなた次第です。

2021.11.25 達也

コメントする

CAPTCHA